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症状ごとに見るおすすめ漢方薬の種類

生薬とは?

生薬

漢方薬とは、複数の生薬を混ぜ合わせてできた治療薬のこと。では、生薬とは何なのでしょうか?

生薬とは、植物の葉、花、茎、枝や昆虫、鉱物、菌類などの物質を長い歴史と経験によって利用しやすく、保存しやすいように加工したものです。つまり生薬の複合的な効果が漢方薬の効果ということになります。

植物でも、種類によって使用する部位はことなります。桃の場合は、種の部分が「桃仁」という生薬として使用。また、葛根はその名の通り、葛の根の部分になります。この他、芍薬の花は「芍薬」、サルノコシカケ科に属するマツホドというキノコを使った「茯苓」などが有名です。

植物以外の生薬もたくさんあります。鉱物では、硫酸カルシウムが元となる「石膏」、動物性のものでは、カキの貝殻を使った「牡蛎」などです。

漢方薬の種類

漢方薬の形態の種類には、煎じ薬、エキス剤、散剤、丸剤の4つがあります。

煎じ薬

生薬を水で煮だして作る本格的な漢方薬が煎じ薬になります。この漢方薬は、煎じて飲まなければならないので、手間はかかってしまいます。その代わり、より効果が得られやすく、微妙な調整を行うことが可能です。

エキス剤

エキス剤とは、一度、煎じた薬を粉末状にしたものです。煎じ薬に比べると効果は若干、劣りますが、インスタントコーヒーの様にお湯に溶いて飲むだけで良いという手軽さゆえに、近年では、最もポピュラーな種類の1つになっています。

散剤

生薬をそのまま挽いて粉末にしたものが、散剤です。足腰の冷えや生理不順に効果的な当帰芍薬散などがこれに該当します。

丸剤

丸剤は、散剤にはちみつを加えて練り固めたもの。頻尿や手足の冷えに効果がある八味地黄丸が有名です。丸剤や散剤は、調剤に時間がかかるため、漢方薬の種類としては主流になっていません。

各症状に適した漢方薬の紹介

不眠に効果的な漢方薬

柴胡加竜骨牡蛎湯(サイコカリュウコツボレイトウ)

イライラして眠れない人におすすめ。動悸や神経症、便秘などにも効果的です。

頭痛に効果的な漢方薬

葛根湯(カッコントウ)

最もポピュラーな漢方薬の1つ。鼻かぜや鼻炎、筋肉痛にもよく効きます。

目の疲れに効果的な漢方薬

桂枝加竜骨牡蠣湯(ケイシカリュウコツボレイトウ)

目の疲れ以外にも、不眠症や夜尿症、神経症にもおすすめです。

腰痛に効果的な漢方薬

芍薬甘草湯(シャクヤクカンゾウトウ)

腰痛のほか、筋肉のけいれん、こむら返りにもぴったりです。

冷えや貧血に効果的な漢方薬

加味逍遙散(カミショウヨウサン)

イライラを抑えたり、虚弱体質、月経不順、更年期障害に効果的。

肩こりに効果的な漢方薬

桂枝茯苓丸(ケイシブクリョウガン)

肩こり以外では、めまいやしもやけ、湿疹、にきびなどの症状によく効きます。

高血圧に効果的な漢方薬

黄連解毒湯(オウレンゲドクトウ)

不眠症や、胃炎、二日酔い、口内炎にもおすすめです。

胃腸のトラブルに効果的な漢方薬

安中散(アンチュウサン)

胃の痛みや胸やけ、胃もたれ、食欲不振、慢性胃炎にぴったり。

にきびや湿疹に効果的な漢方薬

温清飲(ウンセイイン)

皮膚のかさつき、色つやが悪いケース以外に、月経不順、更年期障害にもよく効きます。

足のむくみに効果的な漢方薬

五苓散(ゴレイサン)

頭痛や腹痛、嘔吐、二日酔いの場合におすすめ。

肥満に効果的な漢方薬

大柴胡湯(ダイサイコトウ)

胃炎や常習便秘、高血圧による肩こりにも効果的です。

症状や体質に合わせて漢方薬を選ぶポイント

漢方薬を選ぶポイント

症状や体質に合わせた漢方薬を見つけるには、漢方薬の種類について知ることが大切です。

漢方薬にはたくさんの種類がありますが、以下では漢方薬の中身やタイプ、漢方薬の種類を決定する証について、また現代における身近な漢方薬の種類について解説します。

漢方薬は生薬が互いに長所や短所を活かしあうベストブレンド!

漢方薬の中身はいくつかの生薬がブレンドされてできています。植物だったり、貝殻だったり、鉱物だったりとブレンドされる種類は様々。

漢方薬として名前のあるものは、それぞれの生薬が互いに長所や短所を活かしあって仕事をするベストブレンドの証。数多くの生薬から選ばれて、どれ一つ変えない方が良いと判断された組み合わせです。

一部の漢方薬のブレンド内容について紹介します。

  • 当帰芍薬散:当帰、川芎、芍薬、茯苓、蒼朮、沢瀉
  • 半夏厚朴湯:半夏、厚朴、茯苓、生姜、紫蘇葉

豊富なバリエーションでピッタリな漢方薬を見つけられる

漢方薬の種類は病状や体質に合わせるために実にバリエーション豊富です。

複数の生薬を組み合わせたタイプから、一つの生薬で症状の緩和や改善をするタイプ。また、即効性のあるタイプから長期的に飲んで緩やかに効果の出るタイプがあります。

さらに発症してから経過日数や症状に応じて生薬を変えることもあり、実に細やかな対応ができるのが特徴です。

漢方薬の種類を決定する証「陰陽」「虚実」「気・血・水」について

数ある漢方薬の種類から症状や体質に合わせて選ぶには証が大きく関係してきます。証とは「陰陽」「虚実」「気・血・水」などで判断されます。この証に合わせて漢方薬の種類が選択されるため、たとえ同じ症状であっても異なる種類になる場合や、異なる病名でも同じ証なら同じ種類の漢方薬が使用される場合があります。[注1]

まず、漢方薬の種類を決定するのに欠かせないのが「陰陽」です。[注2]

  • 陰証タイプの人は脈が遅くて低血圧、寒がり、手足の冷え、顔が青白いなどの特徴があります。
  • 陽証タイプの人は脈が早くて高血圧、暑がり、汗っかき、顔が赤いなどの特徴があります。

この陰陽のタイプに合わせて漢方薬の種類が決められます。

体力や体質、抵抗力の強さなどを判断するのが「虚実」で、実証タイプと虚証タイプとそのどちらでもない中間証タイプの3つのタイプに分かれます。

  • 実証タイプの人は血行が良く、声が大きい、筋肉質、食欲旺盛などの特徴があります。
  • 虚証タイプの人は顔色が悪く、声が小さい、痩せ型、寒がりなどの特徴があります。

「気」とは目に見えない生きるためのエネルギーでとても重要な要素です。気の巡りが悪いと心身のバランスが崩れやすくなるとされています。「血」とは血液のことで多いと攻撃的や闘争的になり、少ないと肌の潤いがなくなると考えられています。「水」とは血液以外の体液や分泌液を指し、水分の代謝や免疫力などに関係があります。

この3つのバランスの崩れから不調の原因を探り、漢方薬の種類を選びます。

現代における身近な漢方薬の種類

種類の多い漢方薬ですが、よく使用される身近な漢方薬がいくつかあります。[注3]

以下では現代における私たちの身近な漢方薬について症状に合わせた薬をご紹介します。

糖尿病に使用される漢方薬

現代病とも言われる糖尿病の治療にも、合併症の緩和のためや体調を整えるために漢方薬が使用されます。

  • 痺れやむくみの症状がある場合→八味地黄丸・牛車腎気丸
  • 口の渇き症状がある場合→麦門冬湯・白虎加人参湯

更年期症状に使用される漢方薬

閉経前後のおよそ10年の間に訪れる更年期症状には総合的に診察して、一人一人に合わせた漢方薬が使用されます。

  • ほてりやのぼせ症状がある場合→桂枝茯苓丸
  • 便秘や月経前のイライラ症状がある場合→桃核承気湯
  • 頭が重い症状がある場合→当帰芍薬散

アトピー性皮膚炎に使用される漢方薬

かゆみや湿疹などを伴うアトピー性皮膚炎の治療にも漢方薬は有効です。[注4]

  • 患部がジュクジュクしている場合→黄連解毒湯・消風散
  • 化膿が悪化している場合→十味敗毒湯
  • 肌の乾燥がひどい場合→温清飲・荊芥連翹

風邪に使用される漢方薬

咳、熱、痰などの症状の出る風邪の治療にも漢方薬が使用されます。[注5]

西洋の薬と異なるのは、体の状態を確認して不調を戻す薬を用いることです。

  • 体力があり高熱で重い風邪症状の場合→麻黄湯
  • 体力があり風邪のひき始めの場合→葛根湯
  • 汗がじわじわ出る軽度の風邪の場合→桂枝湯
  • 体力がなく寒気が強い・喉の痛みがある場合→麻黄附子細辛湯
  • 咳がひどい場合→麦門冬湯
  • 痰の咳がひどい場合→温胆湯

不眠症に使用される漢方薬

不眠に悩んでいる人の背景を考慮した漢方薬を使って治療します。[注6]

  • 体力がありイライラして眠れない・のぼせ気味の場合→黄連解毒湯
  • 体力があり不安があったり、高血圧の随伴症状の場合→柴胡加竜骨牡蛎湯
  • 体力があまりなく、心身の疲労や精神不安がある場合→加味帰脾湯
  • 体力があまりなく、のぼせ感や疲れやすい場合→加味逍遙散

こむら返りに使用される漢方薬

突然ふくらはぎや太もも、足の裏などがつれてしまう症状の治療に今漢方薬の芍薬甘草湯が注目されています。こむら返りに関しては証に関係なく処方されるのが特徴です。

この記事を作るのに参考にしたサイト

参考[1]ぴったりの漢方薬を見つけよう
https://takeda-kenko.jp/kenkolife/encyclopedia/knowledge/pittari.html

参考[2]漢方薬の特徴について
http://www.minamitohoku.or.jp/up/news/minamitouhoku/topnews/201109/kanpoyaku.htm

参考[3]漢方薬の種類
http://kampo-ikai.jp/towa/basic8/

参考[4]漢方薬について
http://www.ominedo.co.jp/herbalmedicine/

参考[5]風邪
https://www.tsumura.co.jp/kampo/nayami/kaze01.html

参考[6]不眠・不眠症
https://www.tsumura.co.jp/kampo/nayami/fumin01.html