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知っておきたい 漢方薬の副作用

漢方薬の副作用が少ない理由

漢方薬の安全性

以前、漢方薬は副作用がないことが特徴だということで知られていましたが、その後、副作用があることが分かり、大きな問題になりました。今度は逆に「本当は副作用がある漢方薬は恐ろしい薬品」という風潮が広まったことがあります。

まず副作用について見ていきましょう。副作用とは、症状を改善するために必要な薬を服用した時に出てしまう、不都合な作用のことを言います。

では、なぜ漢方薬は副作用がないという話が広まったのでしょうか。漢方薬は、歴史が長く、国内に入ってきたのは、5~6世紀ごろだと言われています。それから長い年月をかけて漢方薬は厳選されていき、重い副作用がある漢方薬は淘汰されていきました。そのため、副作用がでにくくなったため、副作用がないということになったのです。

薬である以上、副作用がないということはあり得ません。甘草という生薬は、低カリウム血症や血圧上昇などの副作用がありますし、附子は、和名をトリカブトといい、激しい毒性を持つ成分を含んでいるため、大量に摂取してしまうと死に至るケースもあります。ですが副作用が出にくいのは、このような理由があったのです。漢方薬は、適切に服用すれば副作用がほとんどないので、安心して使用することができます。;

漢方薬の効果や副作用

  食生活 対人ストレス 働きすぎ
食事改善で健康になる × ×
運動で健康になる × ×
サプリで健康になる
人間関係を改善して健康になる ×
漢方薬 効果 副作用
温清飲 月経不順、月経困難、更年期障害、神経症、皮膚炎 排尿痛、たんぱく尿、血尿など膀胱炎に似た症状
改源 発熱、鼻水、鼻づまり、頭痛など風邪の諸症状 全身倦怠感、食欲不振、黄疸、発疹などの肝炎
葛根湯 風邪の諸症状や慢性頭痛、肩こりなど 筋肉痛、血圧上昇、低カリウム血症などの偽アルドステロン症や皮疹
加味逍遥散 月経異常、更年期障害、ストレスによる心身の不調など そう痒、紅斑、小水疱
甘草湯 腰痛、こむら返り、胃痛、筋けいれん対策 浮腫、高血圧、低カリウム血症などの偽アルドステロン症
金鵄丸 痔痛・痔出血・掻痒症など 全身倦怠感、食欲不振、眼球・皮膚の黄染などの肝障害
桂枝茯苓丸 肩こり、めまい、打ち身、しもやけなど 発熱、呼吸困難などの薬剤性肺炎
柴胡桂枝湯 胃腸炎、風邪の諸症状など 頻尿、排尿痛などの膀胱炎に似た症状、咳、発熱、息切れなどの間質性肺炎
柴朴湯 のどや食道の閉塞感、動悸、めまい、吐き気など 頻尿、排尿痛などの膀胱炎に似た症状、そう痒、関節痛、咳、発熱、胸痛などのPIE症候群、(咳、発熱、息切れ、肺炎などの間質性肺炎
柴苓湯 吐き気、のどの渇き、食欲不振、急性胃腸炎、むくみなど 下腹部痛、頻尿、排尿痛、発熱などの膀胱炎に似た症状、咳、発熱、息切れ、肺炎などの間質性肺炎、倦怠感、そう痒、発熱などの肝炎
十味敗毒湯 皮膚炎、湿疹、じんましん、水虫 倦怠感などの肝障害
小柴胡湯 食欲不振、吐き気、倦怠感 黄疸、全身倦怠感、皮疹などの肝障害、気管支炎、発熱、咳、呼吸困難、チアノーゼなどの間質性肺炎、膀胱炎に似た症状、浮腫、高血圧、低カリウム血症、ミオパチーなどの偽アルドステロン症、扁平苔癬型皮疹
小青竜湯 アレルギー性鼻炎、花粉症、気管支ぜんそく そう痒、浸潤性の紅斑などの発疹、四股のしびれ感、脱力感、全身浮腫、筋力低下などの仮性バーター症候群、下痢
大黄牡丹皮湯 月経不順、月経痛、便秘、痔 劇症肝炎
大柴胡湯 高血圧や肥満による肩こりや頭痛、胃炎、神経症など 咳、息切れ、発熱など間質性肺炎
毒掃丸 便秘、食欲不振、肌荒れ 気管支喘息
吐根 誤飲時の催吐 胃腸炎、嘔吐、食欲不振などの潰瘍、肺炎
附子 利尿、鎮痛、鎮静 ほてり・熱感、顔面紅潮、悪心・嘔吐、しびれ感、不整脈、心房細動、めまいなどの中毒症状、心筋伝導障害
八味地黄丸 頻尿、残尿感、腰痛、しびれ、かすみ目など 女性化乳房
防己黄耆湯 多汗症、むくみリウマチ性の関節炎 尿細管性アシドーシス、糖尿、全身疲労感などのファンコニー症候群

漢方薬の副作用について

漢方薬は副作用が少なく、作用が穏やかで安全性の高い薬だと言われていることが多いです。

しかし、漢方薬なら副作用がないというわけではなく、漢方薬が薬である以上は副作用が起きる可能性があります。漢方薬での副作用についての解説と、具体的に気を付けるべきことについてまとめました。

漢方薬にも副作用はある

漢方薬は効き目が穏やかで副作用が少ない薬だと言われていますが、実は漢方薬にも副作用が起きる可能性があります。

もともと副作用とは、薬が効くことで起きる身体の反応の中で、治療とは関係のない作用や好ましくない作用のことを指す言葉です。鼻水を止める薬を服用して口まで渇いてしまったり、頭痛薬を服用して眠くなってしまったりといった経験を持つ人は少なくないでしょう。そういった目的外の作用は、全て副作用として分類されています。

漢方薬の原材料である生薬には、薬効成分が入っています。

口から薬を摂取して、胃や腸で薬効成分が分解されて薬として働という作用の順番自体は西洋薬と何も変わりません。ただ、薬として精製された形で服用しているのか、漢方薬という数種類の生薬から作られた合剤を服用しているのか、という違いだけです。

たとえ漢方薬であっても、薬効成分を身体に取り込んで効果を出している以上、副作用が発生する可能性があるということに変わりはありません。

薬局やドラッグストアでも見かける馴染み深い漢方薬として、防風通聖散や葛根湯があります。

防風通聖散の副作用には肝機能障害を起こしたという報告があり、葛根湯にも副作用として薬疹や過敏症を起こしたという報告があります。[注1]漢方薬を使用する際には、副作用が起こるかもしれないという点にも留意しておくことが重要です。

アレルギー体質の人は要注意

漢方薬のアレルギー

一種類、もしくは数種類の有効成分のみを配合して作られている西洋薬とは違い、漢方薬は数種類の生薬を配合して作られていることが多いです。

そのため、特定の食材や成分にアレルギー反応を起こす可能性がある方が漢方薬を服用すると、生薬の種類によってはアレルギー反応を起こすなど、好ましくない副作用が起こりやすくなります。

以前に食材や薬剤でアレルギーを起こしたことがあるという人は、かかりつけの医師に相談してから漢方薬を処方してもらいましょう。

漢方薬の生薬として使われているものの中には、一般的に食材として広く使われているものがいくつか存在しています。クコの実やザクロ、ショウガ、くちなしの実などが主な例です。

このような食品にアレルギーを持っている人は、そういった成分を含まない漢方薬を処方してもらうようにしましょう。

また、稀なケースではありますが、食物アレルギーの既往歴がない人が桂皮を含む市販の漢方薬を使用し、薬物アレルギー性肝炎を発症したとの報告もあります。[注2]

この報告で原因として指摘されている桂皮は、ニッケイ属の木の川を乾燥させたもので、一般には「シナモン」という名称で親しまれ、スパイスとしても広く使用されています。

漢方薬で生薬として使う量と、スパイスとして使う量はかなり異なってくることも多いので、思わぬ作用を起こす原因となることも。違和感があったり、いつもと違う感じがあったりした際は、すぐに医師に相談するようにしましょう。

漢方薬の成分の重複にも注意が必要

漢方薬は複数の生薬を組み合わせて作っているので、いくつかの漢方薬を同時に服用してしまうと、成分の重複が起きてしまうことがあります。

成分が重複していてもある程度の量までなら問題はないのですが、一日の上限摂取量を超えてしまうような組み合わせの場合は副作用が起きやすくなるので注意が必要です。

例えば甘草という生薬は、漢方薬だけでなくチョコレートやのど飴など、食品に使用される甘味料の原材料としても使用されている、安全性の高い生薬です。漢方薬の材料としてもよく使われており、芍薬甘草湯、小柴胡湯、半夏瀉心湯など、ドラッグストアで見かけるような薬にも広く含まれています。

しかし、この甘草の主成分であるグリチルリチン酸を過剰に摂取してしまうと、浮腫、高血圧、手足のしびれといった「偽アルドステロン症」という副作用を引き起こしてしまうことがあります。[注3]

安全性の高い天然由来の成分であっても、成分が重複してしまって結果的に多く摂取してしまうと、思わぬ副作用を引き起こす可能性が考えられます。

特に漢方薬は複数の生薬から作られているため、成分が重複しているかが分かりにくいという特徴もありますので注意しましょう。

この記事を作るのに参考にしたサイト

参考[1]厚生労働省副作用報告に基づく一般用漢方製剤の副作用の件数と内容の調査
https://www.jstage.jst.go.jp/article/kampomed/67/2/67_184/_pdf/-char/ja[pdf]

参考[2]生薬成分「桂皮」によると推測される薬物アレルギー性肝炎の1症例
https://www.jstage.jst.go.jp/article/kanzo1960/26/3/26_3_376/_pdf/-char/ja[pdf]

参考[3]漢方薬 の副作用 ・相互作用
https://www.jstage.jst.go.jp/article/orltokyo1958/40/1/40_1_109/_article/-char/ja/[pdf]